・・・

間違って食べてしまいました。
初体験でした。
辺見庸の『もの食う人々』に出てきたダッカでの残飯を食すあたりが脳にフラッシュバックしました。
初めて食べたそれは、味噌の効能なのか鶏肉料理のはずだったのに『納豆』と同じ風味がしました。


昨日の晩、同居人が鶏肉の味噌炒めを作りました。
しかし、全部食べず放置していたのです。
そして先ほど、小腹の空いた私はその残りを食べることにしました。
丸一日ちょっと経過してるわけですが大丈夫だろうと思いました。
根拠は無いが、まさかこんなことになるとは思わなかったのです。
わずかに差し込む光の中、鶏肉の表面は若干白く見えました。
冷えた油が固まっているのだろうと思いました。
私はそれをよく観察することなく口にしました。
一口。
口の中に赤味噌特有の風味が広がります。
しかし、少しだけ違う点がありました。
納豆を食べているときのような、微妙な後味がするのです。
おかしいとは思ったものの、さらに私は食べました。
二口。
納豆っぽい風味は強くなります。
ぼんやりとしていた私の思考も徐々に精彩を取り戻し始めました。
絶対に何かおかしい!
三口目を口にしながら私は明かりをつけ、フライパンの中身を確認することにしました。
確かに白いものがついています。
最初にすくった際、ちょっとかき回したためにすべての面において確認は出来ませんでしたが(だが、全体的に白くなっていればいやでも気づいただろう。)、鶏肉の上についたそれを指でとってみました。
油ではない。
・・・さらによく観察しました。


昔、父に聞いたこんな話を思い出しました。
『若かった当時、ある夏の暑い日に、売店でアンパンを買い職場の人と分けて食べたんだ。
 そして、そのとき食べ終わってから気づいたんだが・・・
 アンパンを二つに割ったとき、糸を引いてたんだ。
 夏の暑さで腐ってたってことだ。』
なんで、腐ってるもの食べて気がつかねぇんだよ!
思わず父につっこみを入れた記憶がよみがえります。


・・・今ならあの当時の父の話もわかる気がします。
なぜなら。
なぜなら僕は。
『カビ』の生えた物を食ってしまったからです。


三口目に関してはまだ飲み込む前だったので吐き出しました。
口の中には納豆のような風味が広がっています。
何度もうがいしました。
ですが、一度、咀嚼し食道を通ったものは簡単には出てきません。
あきらめました。
あきらめてから後悔しました。
あの時明かりさえつけていれば。
そして、過ぎ去った時間は取り戻せないのです。
そうなると、このくらい思い出を忘れるにはこれしかないと思いました。
『日記でネタにする』
・・・


とりあえず、もうあきらめきったのでこの話はいいんですが、おなか壊さないかだけが非常に心配です。


この半年で食した明らかに危険な食べ物。

  • 夏場に大量に作り置きし3日間放置してた、明らかに腐っていたすっぱいカレー。
  • 27時間経過すると、立派にカビの生えていた鶏肉の味噌いため。

・・・リスト増えた。
もう・・・人間辞めていいですか?