らせん

あー、また来ちまったなー。
先ほど店内で大暴れした店にまたのご来店である。
ちょっと気まずい。
友人はもっと気まずいようだった。
しかし、ピンキー売り場に行くと激変。
・・・人生、はまってるなぁー。
まるで人事のように言ってみる。
オレが『よしこ』の身体が欲しくて(この表現いやらしいなぁ)悩んでるときだった。
店頭の最後の一個。
友人も『よしこ』を狙っていたのだ。
『・・・よしこもいいけど、たまえさんに浮気現場見られてるよ?』
確かに俺が見たとき、『たまえさん』はオレから視線をそらし明後日の方向を見ていた。
『た、たまえさん、ゴメンよ!!』
オレが動揺して、よしこを手放したときだった。
『よしこゲトー!』
友人に横から掠め取られた。
詐欺のような手口である。
もはやその行動は、悪魔に魂、もといピンキーに魂を売った男そのものであった。
しかしながらたまたま陳列台のすみに『よしこ』が落ちていたことを思い出し、そいつを回収。
安堵に浸りながらレジに行くと、朝のことを覚えられてたのか、目の前で繰り広げられていたコントの数々(本人たちは真剣)に受けたのか、店員が笑っていた。